あ行

■あおたん

ぶつけてできた、あざのことです。 イントネーションは平板です。

例)「さっきぶつけたとこ、あおたんになってるでや」。
  「あれだけがっつりぶつかれば、あおたんにもなるべな」。

■あか

船の中にしみだしてくる海水のことです。あかを掬って外に捨てる道具を「あか取り」といいます。 イントネーションは平板です。

例)「あが、たまってきたな」。
  「おお、そごさあが取りあるから、やってけれ」。

■あきあじ

鮭、塩鮭の総称です。
イントネーションはあきあじです。

例)「あきあじ、焼いてくれや」。
  「今、正月だのに、あきあじってことないべさ」。
  「いやいや、正月だって盆だったって、あきあじはあきあじだ」。

■あずましくない

ゆっくりしない、窮屈だ、気持ちが良くないの意味です。
イントネーションは平板です。
「あずましい」の否定形で多用されます。「あずましい」は気持ちが良い、ゆったりしているの意味です。

例)「ホテルさ着いだら、すぐ風呂さ入るでや」。
  「あったら狭苦しい風呂さ入ったって、なんもあずましくないべや」。

■あったら

あんな、あのようなの意味です。
同じように「こんな」は「こったら」、「そんな」は「そったら」になります
イントネーションは平板です。

例)「おめさ、あの車、けでやるから取りに来い」。
  「いらねえでや、あったら、がさい車」。

■あっぺ

反対、逆。「あっぺこっぺ」とも言います。
恐らく、全国の共通語の「あべこべ」と同じ語源から出ているものと思われます。
イントネーションはあっぺこっぺです。

例)「あいつだら、なして人ど違うあっぺなごと、するんだべな」。
  「知らねえ、偏屈だんだべや」。

■あべ

行こう、行きましょうと人を誘う時に使います。
語源は不詳ですが、「歩むべし」が縮まったのではないかという説があります。 イントネーションはあべです。

例)「おじさんといっしょにあべ」
  「いやだ、父さんと行ぐ」

■あぶらこ

関東地方ではアイナメと呼ばれる魚の名前です。 イントネーションはあぶらこです。
決して脂っこい魚ではないのに、この名前で呼ばれるのは不思議な事です。

■あまされる

嫌われるの意味。語源は「余される」でしょう。
仲間はずれにされて、もて余されるという所からきたものでしょう。
イントネーションはあまされるです。

例)「そったらごとばっかりやってだら、見でれ、友達から余されるから」
  「なんもさ」

■あます

食べ物を残すこと。
イントネーションはあますです。

例)「このピーマン、嫌いだ」
  「あましたら、ゲンコだよ」

■あめる

食べ物が饐える、変質すること。
イントネーションは平板です。

例)「このごはん、すっぱい匂いするよ?」
  「あめたんだ、食べるんでない」

■あやをつける

格好をつける事です。「あやをこく」とも言います。
イントネーションはあやをつけるです。

例)「おめ、そったらにあやつけで、どごさ行ぐのよ?」
  「なんもなんも、ちょっとそごまでだ」

■あんぱい、いい

これは塩梅(anbai)ではなく、「anpai」です。
口が上手く、おしゃべりな人の事をいいます。これは悪意をこめて使う言葉で、大風呂敷を広げたり、自慢話をするような人のことを、いいます。
イントネーションはあんぱいです。

例)奴(やづ)だら、ほんと、あんぱいいいもな。

■あんべ

こちらは塩梅のことです。 イントネーションはあんべです。

例)そったらいだ(板)の間だら、ケッツあんべ、いぐないべさ、ほれ、このざぶとんば敷いで座りな。

■いいさよ

「いいでしょうが」、「いいだろうが」の意味。

例)「おれさも、ひとつ、くれればいいさよ」。
  「おう、わがった。泣げばこまるから、けでやる」。

■いいふりこく

格好をつける、見栄をはる、派手にすることを、いいふりこくと言います。
そういう人のことを、いいふりこきと言います。

例)「いやあ、今月だらもう金ないでや」。
  「いいふりこいで、遊んでばっかりいるからよ」。

■いがべ

いいだろう、良かろうの意です。イントネーションはいがべです。

例)「一万円持って行ったら、足りるべか」。
  「おお、それだげあれば、いがべ」。

■いた(だ)ましい

もったいない、惜しいの意で使います。イントネーションはいた(だ)ましいです。
物ばかりでなく、人が若死にし場合にも同じ意味で使います。
「いたわしい」という人もいますが、こっちの方は、惜しい、もったいない、の他に、肉親を
失った人へのお悔やみの言葉や、ひどい目にあった人に同情を示す時にも使われます。

例)おじさんにもらった小遣い、いだましいから、少しづつ使いなさい。

例)○○さんも、まだ若いのに、いたましいねえ

■いっぺんぱん

一発で、即刻というような意味の副詞です。 イントネーションはいっぺんぱんです。

例)「おれな、一回寝たらまず起きないんだよな」
  「それだら、火事にでもなったら、いっぺんぱんだな」

■うすとろけた

間が抜けている様子。 イントネーションは平板です。

例)「おらいのいぬも、なんだかうすとろけたいぬでな」
  「なんもさ、たいしためんこいべさ」

■うだで

大変、すごく、ひどくといった意味の副詞です。
イントネーションは平板です。浜の方で良く使います。

例)「あそこの息子、うだで気ィみじかいものな」
  「血統だべ、おやじも、じじもそうだもの」

■うるかす

水につけておくこと。水につけて、ふやけた状態にすること。
イントネーションはうるかすです。

例)「この米、どうすればいいのさ?」
  「研いで、うるかしておいてくれるかい?」

■えんた

〜のような、〜みたいなの意味です。「いんた」と言う人もいます。
イントネーションはえんたです。

例)「おめえんた、なまずれやづ、はじめでみだでや」
  「なにこの、そっくりおめにかえしてけるでや」

■えんどまめ

豌豆(えんどう)だけでこの植物を表す言葉ですが、さらに「豆」を付けて言っています。
開拓農民たちは、えんどうだけで豆という意味が含まれていることを知らず、さらに豆と
重ねて、この植物は豆であると意識したのでしょう。「大豆まめ」の言い方も使います。

例)「もう、えんどまめ、植えたかい」
  「いや、今年は、だいずまめだけにしたわ」

■おおやけ(げ)

ニシンで財を成した、網元のことです。

■おがる

成長する。人だけでなく、動物、植物、毛髪などの成長にも使います。

例)「あんたんどごの畑のもの、よぐ、おがってるんでないの」
  「まあまあだべさ」

■おっかない

怖い、恐ろしい。道内ではコワイはあまり用いず、「おっかない」「おっかね」を多用します。

例)「びっこひいで、なしたのよ」
  「とっちゃに、スコップでぶっただがれでよぉ、おっかねがったでや」

■おっきた

大きなという意味です。イントネーションはおっきたです。

例)「おっきた餅だこと」
  「うちの父さん、ついたんだ」

■おだつ

余市では余り聞いたことがないのですが、使う方もいらっしゃると言うことで載せました。うかれる、調子に乗る事です。イントネーションはおだつです。

■おどあげる

「おど」は恐らく共通語の「おだ」が転化した言葉でしょう。辞書によると「おだ」には気炎、さかんな意気、気勢のような意味があります。気炎を上げる、気勢を上げるのような意味で使われます。イントネーションは平板です。

例)「やづ、まいばん盛り場で、おどあげでらど」
  「せば、まだ、ほんつけねぐなってるんだべや。やいやいや、こまったもんだな」

■おばんでした

今晩は(夜のあいさつ)。おばんですよりも、新しいあいさつだとされている。

例)「おばんです」
  「いやぁ、おばんでしたぁ」

■おんた

家畜や鶏の雄のこと。同じように雌の事を「めんた」といいます。

例)「また、めんたが、生まれでくるえんた気がするな」
  「いやぁ、こんだ、おんただべさ」

■おんちゃ

「おんちゃん」「おんじ」という人もいます。
弟、次男以下の男の子をひっくるめて言う言葉です。

例)「あんたのおんちゃ、今年なんぼになる?」
  「22です」

■おら、おめ

余市弁では、自分のことを おら、相手のことを おめ と言います。
「自分の家」は おらい、「相手の家」のことは おめらい と言います。
最後に付いている、いは、「家(いえ)」が縮んだものです。

例)あなた、私の家に遊びに来ませんか?
   → おめ、おらいさ、遊びに来ねえが?

また、自分の周辺を示す言葉もあります。自分の家の近くの事を言う場合は、おらほと 言います。これは恐らく、「おらいの方」がなまったものでしょう。これも同じく相手版の
おめほがあります。 このおらほ、おめほは、おらい、おめらいと同義で使用される事もあります。
posted by Yoichi at 21:35 | 余市弁