は行

■手袋をはく

手袋をはめることです。全国共通語では手袋は「はめる」もので、「はく」のはズボンや靴下など、下半身に関係あるものだとされています。しかし、北海道で は、手足にかぶせるようにつけるものは「はく」で表し、時計など手足に巻き付けるものは「はめる」と使っています。

身近なものだけに、北海道の人が一番、方言の意識を持たずに使っている言葉の一つです。

ばくる bakuru

取り替える、交換することです。 イントネーションはぱくるです。

例)「あれ?そのふく、いつ買ったの?」。
  「ああ、これおとうとと、ばくったんだ」。

ぱさら pasara

ある事柄が水の泡になってしまうこと。白紙に戻ってしまうこと。
イントネーションはぱさらです。

例)「やあや、あれだけあったぜんこ、一時間でぱさらになってしまったでや」。
  「だから、パチンコなんか、行ぐもんでないんだって」。

■はたく

叩くの意味です。岩手県・宮城県から伝わった言い方です。女性や子供がよく使う言葉です。 イントネーションははたくです。

例)「言うこと聞かないば、はたかれるんだからね」。
  「あとでやるって言ってるしょや」。

■ぱっち patti

東京方面で「めんこ」と呼ばれている男の子の遊び。厚紙製の札を床に叩き付けて、相手の札をひっくり返す遊び。その札自体の事も「ぱっち」と呼ぶ。
イントネーションはぱっちです。

例)「ぱっち、やるべ」。
  「いやだ、おまえ、強すぎるんだも」。

■ばっち batti

兄弟の中で末っ子の事を言います。「ばっちっこ」とも言います。
イントネーションは平板です。

例)「あんた、何人兄弟?」。
  「3人兄弟で、おれは、ばっちなんだ」。

■はっちゃきこく

「はっちゃきになる」とも言います。夢中になる、一心不乱になるの意味です。
「はっちゃきになる」は内陸部に多く、「はっちゃきこく」は海岸部に多いそうです。
イントネーションははっちゃきこくです。

例)「奴だら、稼ぐなあ」。
  「んだ、家建ででから、はっちゃきこいでるもな」。

■はばける

口の中に食べ物をつめこみすぎて、むせることをいいます。平板なイントネーションです。

例)「そったらに口のなかさ、いっぱい入れだら、はばげるんだど、見でれ、今。」。
  「なんもさ、いっつもこやって食ってるんだっての」。

■はらくそわるい

「はらんべ悪い」という人もいます。気分が悪い、腹あんばいが悪い、腹の虫が収まらないという意味です。 イントネーションははらくそわるいです。

例)「やあや、はらくそわりいなあ」。
  「まあ、少し酒でも飲んで、気分なおせや」。

■はんかくさい

うすばかもの。変な。ばかみたいな。相手を軽蔑して言います。標準語の阿呆や間抜けのような意味です。 イントネーションは平板です。「はんかくさい人」のことを「はんかくせえもの」と言ったりします。

例)「やいや、ゆうべ酔っぱらってまって、財布落どしてきたでや」。
  「おめも、かなり、はんかくせえな」。

■ばんきり

いつも、しじゅうという意味の副詞。東北南部、山梨県、長野県などに分布している言葉だそうです。 イントネーションはばんきりです。

例)「今年は、降るなあ、雪」。
  「んだ、この2、3日、ばんきり降ってるものな」。

■ばんばん

大いにという意味です。標準語の「じゃんじゃん」のような言葉です。
イントネーションは平板です。

例)「今日は、おれのおごりだ、ばんばん飲んでけれ」。
  「珍しいごともあるもんだな、明日雪でも降るんでねえが」。

■ばんぺ

見張り番の事です。語源は恐らく軍隊用語の「番兵」から来ていると思われます。
イントネーションは平板です。

例)「おれ、ちょっと用事足してくるから、おめ、この荷物、ばんぺしてでけれ」。
  「おお、わがった、なるだげはえぐ戻って来いや」。

■びっき

赤ん坊のことです。青森、秋田、岩手県から伝わった言葉です。北海道では主に動物の赤ん坊に使います。 イントネーションは平板です。

例)「そごさ落ぢでるの、なんだ?」。
  「スズメのびっきだ。屋根から落ぢだんだべ」。

びんとしてる bin to shiteru

何度か使ったものや、中古品が新品同様で傷んでいない様子。
イントネーションはびんとしてるです。

例)「うちの子のお下がりでよかったら、このカバンあげるよ」。
  「ああ、なんもなんも、これで充分、充分。まだまだびんとしてるもの」。

■ふっつける

くっつけるの意味です。「ふっ」は接頭語で、特に意味はないとされていますが、私は「く」よりも「ふ」の方が言いやすいのでなまったのだと考えています。
イントネーションはふっつけるです。

例)「教科書の表紙、とれでしまったや」。
  「ノリで、ふっつければいいしょや」。

■ぺったらこい

「平たい」という意味の形容詞です。 イントネーションはぺったらこいです。

例)「こないだの道具貸してけれ」。
  「どれよ、これが?」。
  「いやよ、もっと、ぺったらこいやつだ」。

■べこのした

ミズバショウのことです。花の形が牛の舌に似ている事から、こう言われているようです。
イントネーションはべこのしたです。

■べろっと

何もかも、全部、根こそぎといった感じを表す副詞です。「べろすけ」と言う人もいるようです。 イントネーションはべろっとです。

例)「ゆうべの火事、でっかがったんだってな」。
  「んだとよ。あそこの長屋、べろっと焼げでしまったんだとよ」。

■ほいど

食い意地が張っていて、いやしい人のことです。「ほいと」と言う人もいます。青森県、岩手県、山形県から伝わった言葉です。 イントネーションは平板です。

例)「もうそのくらいにしておかないば、ほいどって言われるんだよ」。
  「したって、はら減ってるんだもの」。

■ぼう

追うことです。「ぼいまわす」は追いまわす意味です。「ぼっかける」という言葉もありますが、これは「ぼう」と「追いかける」が混交してできた言葉だとされています。
イントネーションはぼうです。

例)「だめだ、犬はなしたら。人ば、ぼってぼって。」。
  「かじりはしないんだけどな」。

■ぼっこ

棒のことです。 イントネーションは平板です。

例)「そのぼっこ、なにするのさ?」。
  「あし、いたいから、つえに使うんだ。」。

■ぼっこてぶくろ

指が分かれていない、ミトンと呼ばれている手袋のことを言います。指が分かれていないので、手先が一かたまりになることから、こう呼ばれたのでしょう。
イントネーションはぼっこてぶくろです。

■ぼったくる

追いまわす、追い払うの意味です。 イントネーションは平板、もしくはぼったくるです。

例)「また、あのいぬ、放れてきてるわ」。
  「行って、ぼったくってこい」。

■ほっちゃれ

放卵、放精後のサケのことです。体力を使い果たして傷だらけになり、味はまずいです。転じて、疲れて元気のない人のことを指して使うこともあります。
イントネーションは平板です。

例)「サケ、とってきたよ」。
  「そったらほっちゃれ持ってきたったって、なんもまぐないから、
   川さかえしてこい」。

■ほんつけなくなる

わけがわからなくなる、前後不覚になるの意味。余りにも色々な問題が一辺に起きて、どうして良いかわからなくなってしまった場合や、酒を飲みすぎて正体を無くしてしまったような場合に使います。 イントネーションはほんつけなくなるです。

例)「ゆうべだら、飲みすぎでまって、ほんつけねぐなってまったでや」。
  「なにこの、おめだっけ、毎度のごとだべや」
posted by Yoichi at 21:46 | 余市弁