わ行

■わっち

「わたし」のことです。女性が自分のことを指すときに使います。
イントネーションは平板です。

例)「あした、何時にいくの?」。
  「ああ、わっちひとりで行って来るから、気にするんでない」。

■わたしがた、わっちがた

一人称複数の代名詞。時には、一人称単数の場合に使う事もあります。「がた」という接尾語は、複数を示すとともに、敬意も示すはずだが、北海道では単に複数の意味しかなく使っている人が多いようです。

自分達には「わたしたち」、相手には敬語で「あなたがた」と使うのが正しい日本語共通の使い方ですが、北海道では「わたしがた」「あんたたち」と使うことは、おかしいことではありません。

例)「クマのにくって、好きだかい」。
  「わたしがた、そういうもの食べたことないもの」。

■わや

めちゃめちゃというような意味です。「わやくちゃ」とも言います。物をこわしたとき、突発的な事故で予定がすっかり狂ったときなど「わやになった」「わやだ」といったりします。

例)「なしたのよ、元気ないな」。
  「酒ばっかり飲んでたっけ、胃のなかがわやになってるんだとよ」。
posted by Yoichi at 21:56 | 余市弁

ら行

■らくよう

「からまつ」のこと。漢字で「落葉松」と書くので、上二文字の落葉を音読みしたものです。また落葉松林に生えるキノコ(イグチ)のことも、「らくようキノコ」または単に「らくよう」と呼びます。 イントネーションは平板です。

例)「もうそろそろ、らくよう出てきたべか」。
  「今年、あっつかったから、出るの、はやいかもな」。

■るいべ

凍ったサケの刺身のことです。アイヌ語「ルイベ」から来ています。「ル」は溶ける、「イペ」が食べ物を意味しています。 イントネーションはるいべです。

例)「内地のお客さんに、何くわせるべな」。
  「るいべがいいんでないか」。
posted by Yoichi at 21:55 | 余市弁

や行

■やち

ぬかるんだ土地、湿地帯のことです。 イントネーションはやちです。

例)「蛙のたまご、どこからとってきた」。
  「あそこのやちさ行けば、なんぼでもある」。

■やっと

早くという意味です。人を急かしたり、物事をさっさと済ませる時などに使います。 イントネーションはやっとです。

例)「やっと、あべ」。
  「したら、やっと、行って、やっと、帰ってくるが」。

■やばちい

「やばっちい」とも言います。きたない、また乱暴なという意味の形容詞です。東北地方では、きたないの意味で使われていますが、北海道では乱暴なという意味にも使います。 イントネーションは平板です。

例)「それだらちょっと、やばちいやりかたなんでないのか」。
  「なんも、いんだって、これで」。

■やんしゅう

ヤン衆。昔、ニシン漁場に来た漁業労務者のことです。 イントネーションはやんしゅうです。

■ゆるくない

つらい、容易でない、楽でない。打ち消し形だけが使われていて、楽なことや簡単にできることを「ゆるい」とは言いません。 イントネーションはゆるくないです。

例)「最近、仕事が大変で残業ばっかりでよ」。
  「それだら、ゆるくないな」。

■よっこする

物をちょっと動かす、タナ上げする、またはくすねる、の意味です。無断で他人のものを借りたり、もらってきたりして「ちょっと、よっこしてきた」などとも言ったりします。
イントネーションはよっこするです。

例)「やあや、なんぼ話し合っても決まらないな」。
  「したら、この件はちょっとよっこしとくか」。
posted by Yoichi at 21:53 | 余市弁

ま行

■まかす

(水などを)こぼすという意味です。「こぼした」は「まかした」ですが、「まけた」と言う使い方もします。
イントネーションはまかす、まかした、まけたです。

例)「このバケツば、運ぶのかい」。
  「そうだ。いっぱいだから、まかすんでないよ」。

■まかたする

採算がとれることを「まかたする」、とれないことを「まかたしない」と言います。
イントネーションはまかたするです。

例)「これ、ふたっつ買うから、もうすこしまけてや」。
  「だめさ、これ以上まけたら、まかたしないもの」。

■まかなう

身支度をすると言う意味です。青森県、秋田県、岩手県方面から移入された言葉です。
イントネーションはまかなうです。

例)「さむいから、ちゃんとまかなわないと、だめだわ」。
  「したら、ズボンしたもはいたほうがいいべか」。

■まきり

ナイフ、小刀のことです。イントネーションはまきりです。

例)「魚さばくから、そこのまきりとって」。
  「切れるから、気ィつけなさいや」。

■まず

他に比類がない、群を抜いているという意味の形容詞です。イントネーションはまずです。

例)「おめだら、まず食うな」。
  「なんもよ、このくらいだら、誰でも食うでや」。

■まてに、まていに

ていねいに、念入りにといった意味の副詞です。イントネーションはまてにです。

例)「きれいな料理だねえ」。
  「まてな板前さんなんだわ」。

■まっこ

お年玉のことです。少ないお年玉のことを、「やすまっこ」と言ったりします。
イントネーションはまっこです。「やすまっこ」は平板なイントネーションです。

例)「やすまっこだけども、ほれ、めんこいから、おめさ、くれるから」。
  「おじちゃん、どうもね」。

■みったくない

醜い、見苦しいの意味です。秋田県、山形県方面から伝えられたものです。
「みったくない人」のことを「みったくなし」と言います。
イントネーションはみったくないです。

例)「たいした美人の嫁さん、もらったって言うんでしょ」。
  「なんも、なんも、みったくなしなんだって」。

■むくれる

すねる、気分を害するという意味です。 イントネーションは平板です。

例)「奥さん、なしてしゃべらないのさ」。
  「さっきまでケンカしてて、むくれてるんだ」。

■むったり

いつもという意味です。 イントネーションはむったりです。

例)「父さん、最近、何してる?」。
  「むったりパチンコしてるわ」。

■むりっくり

無理やりという意味です。「無理やり」と「繰り合わせる」「やりくり」などが混交された言葉です。 イントネーションは平板です。

例)「あれ、今日、ずんぶ早いんでしょ」。
  「用事あるから、むりっくり帰ってきたんだ」。

■むる

(水などが)漏るという意味です。共通語のo音がu音に変わっています。 イントネーションはむるです。

例)「このやかん、むるんでないか」。
  「もう何十年もなるからなあ」。

■むじら、むんじら

丸ごとのような意で使います。秋田県から伝わった言葉です。
イントネーションはむじらです。

例)「この魚、やわいから、頭むじら食えるど」。

■めっぱ

ものもらい(麦粒腫)の事です。新潟県から伝えられた言葉です。語源は「目っ端」ではないかと言われています。 イントネーションはめっぱです。

例)「目ェ、腫れてるんでないか?」。
  「多分、めっぱでないかと思うんだ」。

■めんこ

その人のお気に入りのこと。人に気に入られる事を「めんこになる」と言います。 学校で教師が特定の子をかわいがったりする場合、「だれそれは○○先生のめんこだから」と 陰口をきかれます。また「お婆ちゃんのめんこ」とか「お父さんのめんこ」というようにも使われます。 語源は「かわいい」の意味の「めんこい」です。
イントネーションはめんこです。

例)「○○ちゃん、お母さんのめんこだもね」。
  「お母さん、すぐ怒るから、めんこでないも」。

■めんこい

かわいいの意味です。 イントネーションはめんこいです。

例)「あのむすめ、どこのむすめよ」。
  「たいしためんこいべ、おらいのむすめだ」。

■〜も、〜だも

「〜もん」「〜だもん」の意味です。共通語の最後の「ん」が取れています。

例)「最近、すこしふとったんでないか」。
  「なんもだも」。

■もさっと

ぼんやりといったニュアンスの副詞です。「もさらっと」という人もいます。
イントネーションはもさっとです。

例)「おめ、なに、そったらとこで、もさっとしてるのよ」。
  「ちょっと一服してたんだ」。

■もちょがす

くすぐることです。「もちょこす」「こそがす」「こちょがす」「こちょばす」とも言います。
くすぐったい時は「もちょこい」と言います。
イントネーションはもちょがす、もちょこいです。

例)「なにしてるのよ、もちょこいからやめれって」。
  「なんもしてないって、いぬがあしのうら、なめってるんだって」。
posted by Yoichi at 21:50 | 余市弁

は行

■手袋をはく

手袋をはめることです。全国共通語では手袋は「はめる」もので、「はく」のはズボンや靴下など、下半身に関係あるものだとされています。しかし、北海道で は、手足にかぶせるようにつけるものは「はく」で表し、時計など手足に巻き付けるものは「はめる」と使っています。

身近なものだけに、北海道の人が一番、方言の意識を持たずに使っている言葉の一つです。

ばくる bakuru

取り替える、交換することです。 イントネーションはぱくるです。

例)「あれ?そのふく、いつ買ったの?」。
  「ああ、これおとうとと、ばくったんだ」。

ぱさら pasara

ある事柄が水の泡になってしまうこと。白紙に戻ってしまうこと。
イントネーションはぱさらです。

例)「やあや、あれだけあったぜんこ、一時間でぱさらになってしまったでや」。
  「だから、パチンコなんか、行ぐもんでないんだって」。

■はたく

叩くの意味です。岩手県・宮城県から伝わった言い方です。女性や子供がよく使う言葉です。 イントネーションははたくです。

例)「言うこと聞かないば、はたかれるんだからね」。
  「あとでやるって言ってるしょや」。

■ぱっち patti

東京方面で「めんこ」と呼ばれている男の子の遊び。厚紙製の札を床に叩き付けて、相手の札をひっくり返す遊び。その札自体の事も「ぱっち」と呼ぶ。
イントネーションはぱっちです。

例)「ぱっち、やるべ」。
  「いやだ、おまえ、強すぎるんだも」。

■ばっち batti

兄弟の中で末っ子の事を言います。「ばっちっこ」とも言います。
イントネーションは平板です。

例)「あんた、何人兄弟?」。
  「3人兄弟で、おれは、ばっちなんだ」。

■はっちゃきこく

「はっちゃきになる」とも言います。夢中になる、一心不乱になるの意味です。
「はっちゃきになる」は内陸部に多く、「はっちゃきこく」は海岸部に多いそうです。
イントネーションははっちゃきこくです。

例)「奴だら、稼ぐなあ」。
  「んだ、家建ででから、はっちゃきこいでるもな」。

■はばける

口の中に食べ物をつめこみすぎて、むせることをいいます。平板なイントネーションです。

例)「そったらに口のなかさ、いっぱい入れだら、はばげるんだど、見でれ、今。」。
  「なんもさ、いっつもこやって食ってるんだっての」。

■はらくそわるい

「はらんべ悪い」という人もいます。気分が悪い、腹あんばいが悪い、腹の虫が収まらないという意味です。 イントネーションははらくそわるいです。

例)「やあや、はらくそわりいなあ」。
  「まあ、少し酒でも飲んで、気分なおせや」。

■はんかくさい

うすばかもの。変な。ばかみたいな。相手を軽蔑して言います。標準語の阿呆や間抜けのような意味です。 イントネーションは平板です。「はんかくさい人」のことを「はんかくせえもの」と言ったりします。

例)「やいや、ゆうべ酔っぱらってまって、財布落どしてきたでや」。
  「おめも、かなり、はんかくせえな」。

■ばんきり

いつも、しじゅうという意味の副詞。東北南部、山梨県、長野県などに分布している言葉だそうです。 イントネーションはばんきりです。

例)「今年は、降るなあ、雪」。
  「んだ、この2、3日、ばんきり降ってるものな」。

■ばんばん

大いにという意味です。標準語の「じゃんじゃん」のような言葉です。
イントネーションは平板です。

例)「今日は、おれのおごりだ、ばんばん飲んでけれ」。
  「珍しいごともあるもんだな、明日雪でも降るんでねえが」。

■ばんぺ

見張り番の事です。語源は恐らく軍隊用語の「番兵」から来ていると思われます。
イントネーションは平板です。

例)「おれ、ちょっと用事足してくるから、おめ、この荷物、ばんぺしてでけれ」。
  「おお、わがった、なるだげはえぐ戻って来いや」。

■びっき

赤ん坊のことです。青森、秋田、岩手県から伝わった言葉です。北海道では主に動物の赤ん坊に使います。 イントネーションは平板です。

例)「そごさ落ぢでるの、なんだ?」。
  「スズメのびっきだ。屋根から落ぢだんだべ」。

びんとしてる bin to shiteru

何度か使ったものや、中古品が新品同様で傷んでいない様子。
イントネーションはびんとしてるです。

例)「うちの子のお下がりでよかったら、このカバンあげるよ」。
  「ああ、なんもなんも、これで充分、充分。まだまだびんとしてるもの」。

■ふっつける

くっつけるの意味です。「ふっ」は接頭語で、特に意味はないとされていますが、私は「く」よりも「ふ」の方が言いやすいのでなまったのだと考えています。
イントネーションはふっつけるです。

例)「教科書の表紙、とれでしまったや」。
  「ノリで、ふっつければいいしょや」。

■ぺったらこい

「平たい」という意味の形容詞です。 イントネーションはぺったらこいです。

例)「こないだの道具貸してけれ」。
  「どれよ、これが?」。
  「いやよ、もっと、ぺったらこいやつだ」。

■べこのした

ミズバショウのことです。花の形が牛の舌に似ている事から、こう言われているようです。
イントネーションはべこのしたです。

■べろっと

何もかも、全部、根こそぎといった感じを表す副詞です。「べろすけ」と言う人もいるようです。 イントネーションはべろっとです。

例)「ゆうべの火事、でっかがったんだってな」。
  「んだとよ。あそこの長屋、べろっと焼げでしまったんだとよ」。

■ほいど

食い意地が張っていて、いやしい人のことです。「ほいと」と言う人もいます。青森県、岩手県、山形県から伝わった言葉です。 イントネーションは平板です。

例)「もうそのくらいにしておかないば、ほいどって言われるんだよ」。
  「したって、はら減ってるんだもの」。

■ぼう

追うことです。「ぼいまわす」は追いまわす意味です。「ぼっかける」という言葉もありますが、これは「ぼう」と「追いかける」が混交してできた言葉だとされています。
イントネーションはぼうです。

例)「だめだ、犬はなしたら。人ば、ぼってぼって。」。
  「かじりはしないんだけどな」。

■ぼっこ

棒のことです。 イントネーションは平板です。

例)「そのぼっこ、なにするのさ?」。
  「あし、いたいから、つえに使うんだ。」。

■ぼっこてぶくろ

指が分かれていない、ミトンと呼ばれている手袋のことを言います。指が分かれていないので、手先が一かたまりになることから、こう呼ばれたのでしょう。
イントネーションはぼっこてぶくろです。

■ぼったくる

追いまわす、追い払うの意味です。 イントネーションは平板、もしくはぼったくるです。

例)「また、あのいぬ、放れてきてるわ」。
  「行って、ぼったくってこい」。

■ほっちゃれ

放卵、放精後のサケのことです。体力を使い果たして傷だらけになり、味はまずいです。転じて、疲れて元気のない人のことを指して使うこともあります。
イントネーションは平板です。

例)「サケ、とってきたよ」。
  「そったらほっちゃれ持ってきたったって、なんもまぐないから、
   川さかえしてこい」。

■ほんつけなくなる

わけがわからなくなる、前後不覚になるの意味。余りにも色々な問題が一辺に起きて、どうして良いかわからなくなってしまった場合や、酒を飲みすぎて正体を無くしてしまったような場合に使います。 イントネーションはほんつけなくなるです。

例)「ゆうべだら、飲みすぎでまって、ほんつけねぐなってまったでや」。
  「なにこの、おめだっけ、毎度のごとだべや」
posted by Yoichi at 21:46 | 余市弁

な行

■なけ(げ)

泣き虫の意味です。泣く子供をからかって言ったりします。イントネーションは泣けです。

例)「まだ泣いでらのが。おめだらほんと、泣げだもなあ」。
  「なんも、泣げでないも」。

■なげる

捨てる。捨てるという意味に「なげる」を使うのは、宮城県岩手県から移入された言いかただとされています。

例)北海道人「なして、おれさゴミぶつけるのよ?」。
  東京人「今、ゴミをなげてくれと言いましたよね?」。
  北海道人「おめなあ・・・・」。

■なして

なぜ、どうしての意味です。

例)「これ、ちょすなよ」。
  「なして?」。
  「なしてもだ」。

■なまら

すごくという意味です。もっと強調したい場合は「なんまら」と言ったりします。男言葉なので、女性は基本的に使いません。イントネーションは平板です。
余市・小樽周辺では「がばら」と言い換えたりする人もいますが、これは現在のコギャルの言葉と同じで、1970年代に若者が作り出した言葉です。

例)「きのうのプロ野球、いい試合だったなぁ」。
  「んだ、なまらおもしがったわ」。

■なまずるい

ずるいと言う意味です。ニュアンス的には、ただの「ずるい」よりも実感がこもっている感じで使われています。 「へなまずるい」、「こなまずるい」という言い方もあります。
イントネーションはなまずるいです。

例)「あの野郎だら、うだで、なまずるいもな」。
  「あすこのかぞく、みんなそうだもの」。

■なんばん

唐辛子のことです。一味唐辛子、七味唐辛子を総称して「なんばん」と呼びます。南蛮から渡来したからかも知れません。

例)「イカ刺しは、なにで食べるの?」。
  「あ、醤油となんばんで食べるわ」。

注)実際に私は、醤油と「なんばん」でイカ刺しを食べます。イカ刺しが盛られた皿に、そのまま「なんばん」と醤油をかけて混ぜて食べます。元々は漁師の食べ方かも知れません。

■なんも

「なんもさ」とも言います。「何も」がなまったものです。

例)「おめのうぢ、たいしたカネ持ぢだって言うんでねえが」。
  「なんもだ」。

■にんべさんべ

いびつになっていたり、さかさまになっていたりする事です。バランスがよくないさまを言います。 イントネーションはにんべさんべです。

例)「ちゃんと、かがみ、見でこい、ふく、にんべさんべになってらど」。
  「ああ、ほんとだほんとだ」。

■ぬるまっこい

「なまぬるい」の意味です。熱いものがさめてきた場合にも使います。青森県から伝わった言い方だとされています。
イントネーションはぬるまっこいです。

例)「どんだ?風呂わいだが」。
  「いや、やっとぬるまっこぐなってきたどごだ」。

■ねこ

工事現場で使う一輪車のことです。なぜこう呼ぶのかわかりませんが、一般的に使われています。 イントネーションはねこ(ご)です。 ちなみに動物の猫も同じイントネーションです。

例)「ちょっとそごの、ねご持ってきてけねえが」。
  「これでいいのが?」。
  「ばがものっこの。おめ、いぬ連れできて、なにする気よ?
  はえぐ、ねご持って来いっこの!」。

■ねっぱる

ねばる、ねばりつく、くっつくの意味です。物理的な性質を示すほかに、うるさくつきまとう人に、「おい、ねっぱるな」という例もあります。「くっつける」ことは、「ねっぱらかす」といいます。 イントネーションはねっぱる、ねっぱらかすです。

例)「あれ、あの子、どごいった?」。
  「とうさんにねっぱって、さっき出でったよ」。

■ねゆき

積もったまま、春まで溶けない雪。根雪。北陸・北飛騨の方言でしたが、現在では気象用語として、気象台でも使用されています。 イントネーションは平板です。

例)「まだ、溶げだねえ」。
  「昔だら、もうとっくに根雪になったったんだけどもなあ」。
posted by Yoichi at 21:45 | 余市弁

た行

■たいした

とても、非常に、うんと。多量、多数な事を表す副詞です。
イントネーションはたいしたです。

例)「あんたのどごの息子、たいしたあたまいいっていうんでしょ」。
  「いやいや、なんもだんだ」。

■たくらんけ

ばか者。相手をののしる言葉。 イントネーションはたくらんけです。

例)「まだこったらどごで、あぶら売ってるのが、このたぐらんけが」。
  「なんもだ、ほんのちょぺっこ、やすんでだんだ」。

■〜たった

作業や動作の過去完了形の言いまわしです。
「やっていた」は「やったった」、「言っていた」は「言ったった」になります。

例)「あいつ、なんて言ったった?」。
  「今晩、酒飲むべって言ったったど」。

■〜だっけ

〜なんかの意味です。

例)「あいつ、入院したの知ってらが?」。
  「おれだっけ、もう見舞いさ行ってきたでや」。

■だっこんび

キンミズヒキというバラ科の植物の実。トゲに覆われた丸い実で、この実が衣服にくっつくことから、いつも一緒にいて仲が良い様子を、だっこんびと呼んだりする。
イントネーションは平板です。

例)「おめだら、だっこんびみてえだな。すこし離れでけれや」。
  「したって、さむいんだも」。

■たなく

持つ、持ち上げる、担ぐという意味です。
イントネーションはたなくです。

例)「重でえから、ちゃんと両手でたなげよ」。
  「わがったって」。

■だはんこく

ごろつく、だだをこねるという意味です。
イントネーションはだはんこくです。

例)「ずんぶ、このわらすは、だはんこぐな」。
  「はらでも、いでんでねえのが」。

■〜だら

〜ならの意味です。

例)「おめがそういうかんがえだら、おれもつきあいかだ、かんがえるからな」。
  「そったらにおごるごとないんでないか」。

■たんぱら

短気なことです。 イントネーションはたんぱらです。

例)「やづだら、まずたんぱらだもな」。
  「昔よりも、だいぶましになったけどな」。

■ちゃんこい

小さいという意味の形容詞です。 ちゃっこいや、ちっちゃこいとも言います。
イントネーションはちゃんこいです。

例)「焼き芋、食べるかい?」。
  「したら、そのちゃんこいの、もらうかな」。

■ちょす

いじる、さわるという意味です。 イントネーションはちょすです。

例)「こごに置いだった紙、ちょしたべ?」。
  「ゴミだと思って、投げでまったよ」。

■ちょべっと

少量、わずかの意味です。ちょぺっと、ちょっぺりとも言います。出所は近江方言らしく、道内を行商して歩いた近江商人により広められたのではないかという説があります。
イントネーションはちょべっとです。

例)「ほら、飲め」。
  「いや、もうだいぶ酔ってきたから、ちょべっとだげけれや」。

■つっぺ

栓のこと。栓をする事を、つっぺ、かるといいます。
イントネーションはつっぺです。

例)「あれれ、鼻血、出で来たでや」。
  「ほれ、鼻さ、つっぺかれ」。

■てっくりかえる

転倒する、ひっくり返るの意味です。石川県は富山県から移入された言葉です。
イントネーションはてっくりかえるです。

例)「やいや、道路でてっくりかえったっけ、青タン、できたでや」。
  「すべるから、気ィつけないばねえ」。

■でめんとり

日雇い労働者。でめんとも言う。面さえ出せば、金がもらえる。東北地方には、稼ぎに出てきた労務者の顔ぶれを確認することを「出面(でづら)を取る」と言うので、これを音読みにて、「でめん」と言うようになったという説があります。
イントネーションは平板です。丁寧に、でめんさんと言ったりもします。

例)「明日、釣りさ行がねえが?」。
  「だめだ、明日も、おら、でめんだもの」。

■デレッキ

火かき棒。ストーブの中の火をかきまわす道具です。
イントネーションはデレッキです。

例)「そのたんこぶ、なしたのよ?」。
  「ゼンコかっぱらったの見つかって、父さんにデレッキでぷっただがれだんだ」。

■でんぷんこ

えんどうまめ、だいずまめと同じように、澱粉という漢語に、さらに「粉」をつけて粉であるという意識を強めた言葉です。 イントネーションは平板です。

例)「でんぷんだんご、食べたいな」。
  「したら、でんぷんこ、買ってきなさい」。

■とうきみ

とうもろこしのこと。とうきび、とうきみが多く使われます。とうもろこしは、新しい言葉だそうで、北海道ではあまり使われません。 イントネーションはとうきみです。

例)「あのなべで、なにゆでてる?」。
  「ああ、とうきみだ、食べていきな」。

■どかゆき

一晩で1mあまりも雪が降ることを言います。いっぺんにドカっと降る雪という意味です。
イントネーションは平板です。

例)「やあや、降るなあ、これだら、あさまでにかなり積もるなあ」。
  「んだ、どかゆきだな」。

■ときしらず

秋、産卵のために川に昇ってくるサケを「アキアジ」と言いますが、道東沖の海で春・夏に獲れるサケのことをときしらずといいます。「ときサケ」とも言います。
漁業関係者は「とき」と省略して呼んだりもします。

■どさんこ

道産馬。馬は昔は北海道にはおらず、和人によって東北地方から連れてこられました。
漁場の労役に使ったのですが、ニシン漁は春が漁期で、冬場は打ち捨てられたので、栄養が悪く子孫は体格が小さくなってしまいました。しかし、体格が小さくとも力が強く良く働く良い馬でした。転じて、北海道生まれの人の事も「どさんこ」と言います。
イントネーションは平板です。

■とっちゃ、かっちゃ、あっちゃ

お父さん、お母さんの事を、とっちゃ、かっちゃと呼びます。 もちろん、お父さん、お母さん、父さん、母さんという呼び方も使います。肉親だけでなく、中年の男性、女性一般を指す場合もあります。 よその家のお父さんのことは、「とっちゃ」と呼ぶ人も多いようです。
あっちゃは、お婆さんの事です。

例)隣のあっちゃ  高橋のとっちゃ

■とねこ

「とねっこ」とも言います。当歳馬のことで、北海道へ馬を送り出した南部地方の言葉が、馬と一緒に伝えられました。 イントネーションはとねこです。

例)「おめほの馬、売らねが?」。
  「まだ、とねこだからなあ」。

■とば

鮭の干物のことです。 イントネーションはとばです。

例)「かでえなあ、このとば」。
  「あんまりやわくても、まぐないべや」。

■どんぐい

スカンポ。オオイタドリのことです。戦争中、どんぐりの葉を煙草にして吸ったこともあったそうです。根元の方の節の間に蛾の幼虫と思われるイモ虫がいて、釣りに使われたりします。 イントネーションはどんぐいです。

例)「あした、ヤマベ釣りにいぐど」。
  「したら、どんぐいの虫、とっておぐがな」。

■どんず

お尻のことです。北海道では余り良い言葉ではありませんが、青森では普通に使われる言葉のようです。おそらく、「どんづまり」が語源だと思われます。
イントネーションはどんずです。

例)「さむぐなってきたっけ、どんずの調子、悪くてなあ」。
  「温泉さ行って、あっためでこい」。

■どんだりこんだり

物事が野放図に行われている様をさします。

例)おめ、そったらどんだりこんだりなごと、やってるんだらはぁ、会社もなんもすぐつぶれでまうど
posted by Yoichi at 21:41 | 余市弁

さ行

■さっちょん

戦後できた言葉で、札幌チョンガーの略。
札幌に単身赴任してきている男性の事を言います。チョンガーは朝鮮語で「若い男」の意味ですが、札チョンという時はもっぱら独身者という意味に使っています。
最近はあまり使われなくなっています。

例)「家族は?」。
  「東京です、今、札チョンなんです」。

■〜さる

無意識に何かをしてしまう時の言い方です。例えば「見てしまう」は「見らさる」、「言ってしまう」は「言わさる」と言う風に使います。

例)「ここにあったマンガの本、見たしょ」。
  「そこさ置いてあるんだもの、見るなったって見らさるや」。

■〜されない、〜られない

〜することができない、不可能だの言い方です。例えば、「行けない」は「行かれない」、「売れない」は「売られない」になります。

例)「だめだ、もう走られない」。
  「なに言ってるのさ、まだ半分も来てないべさ」。

■さんぺじる

三平汁と漢字を当てます。北海道の代表料理のひとつで、魚に塩をふって、数日おいた
ものを主にし、野菜を加えた塩汁のことです。略して、「さんぺ」ともいいます。
汁を盛る皿を「さんぺざら」と言います。 イントネーションはさんぺじるです。

例)「今晩、さんぺ、食いたいな」。
  「なんの、さんぺよ?」。
  「スシニシンのさんぺよ」。

■したけど

だけど、でも、の意味です。 イントネーションはしたけどです。

例)「おれ、先に行ってるから、おめ、あどから来い」。
  「したけど、おれ、場所、わがんねえも」。

■したっけ

そうしたらの意味です。主に既に起こった事に使う接続詞です。
まだ起きていない事の場合は「したら」になります。
イントネーションはしたっけ、したらです。
「それじゃあ!」の意味で、別れる時の挨拶にも使います。

例)「昨日、パチンコさ行ったのよ。したっけ、がばすけやられだでや」。
  「やいや、運、ねがったな」。

■したって

だって。そうではあるけれどの意味です。「そうしたって」の上の部分が省略されたものと考えられます。 イントネーションはしたってです。

例)「おめ、ずんぶ遅れできたな」。
  「したって、道路、混んでたんだも」。

■〜してら

何かの動作が進行中の時に使う言いまわしです。岩手県、青森県から伝わった言葉です。 例えば「寝ていたところだ」は「寝てら」、「やっていたところだ」は「やってら」になります。

例)「父さん、なにやってら?」。
  「うちで、新聞読んでらわ」。

■しない

食べ物が、固いことです。イントネーションはしないです。

例)「このたぐあん、ずんぶしないな」。
  「んだ、歯もなんも、折れそうになるだげ、しないでや」。

■しのる

たわむ、そる、そりかえるという意味です。「ひのる」とも言います。
イントネーションはしのるです。

例)「いやぁ、さっきの逃がした魚、でっけがったなあ」。
  「おお、竿もなも、折れるがと思うくらい、しのったったもな」。

■しばれる

凍る。甚だしい寒さのことを言う。
イントネーションはしばれるです。

例)「今朝は、かなりしばれだったな」。
  「おらいの醤油、しばれでまったでや」。

■じぶき

地上に降り積もった雪が、強風に巻き上げられて起こるふぶき。地吹雪が詰まったもの。
イントネーションはじぶきです。

例)「なしたのよ、雪だらけになって」。
  「したって、しどい、じぶきなんだもの」。

■しゃごむ

全国共通「しゃがむ」の「が」のa音が、o音に変わったもの。
イントネーションはしゃごむです。

例)「立ってれば、疲れるな」。
  「疲れたら、しゃごんでれ」。

■しゃっこい

「ひゃっこい」と発音する人もいます。冷たいという意味の形容詞です。岩手県、青森県から移入された言葉です。 イントネーションはしゃっこいです。

例)「もう、うみ、ぬるいが?」。
  「いや、まだまだ、しゃっこいわ」。

■しゅう

本州から北海道へ入植した人の出身地に「衆」を付けて、呼んだもの。
南部衆、仙台衆、秋田衆、越後衆、阿波衆などと言いました。

例)「あの人だぢは、富山衆かい?」。
  「いや、津軽衆の人もいるって、言ったったわ」。

■じょっぱる

強情を張ることをじょっぱると言います。 強情を張る人自体を、じょっぱりと言います。

■じょっぴん、かる

鍵をかける事です。イントネーションはじょっぴん、かるです。

例)「おめ、ずんぶ、のん気な顔してらけども、ちゃんとじょっぴんかってから来たんだべな」
  「あ、忘れできたがもわがんねえわ」
  「見れ、ほら、このたぐらんけ」

■しんばり棒

引き戸が開かないようにする棒の事です。つっかえ棒のこと。イントネーションはしんばりぼうです。

例)「おめ、しんばりしたが」
  「いま、してくるでば」

■すがもり

屋根の氷が溶けて、天井などを伝わって室内に水漏れすること。
やや暖気になる2〜3月頃に目立つ現象。「しがもり」ともいいます。
イントネーションはすがもりです。

例)「あれ、すがもりしてきたでや、バケツ持ってこいや」。
  「あら、こっちもだでや」。

■すしにしん

ニシンを塩と糠で漬けたもの。糠にしんのことです。すしにしんとささぎ豆とジャガイモが、三平汁の代表的なレシピです。 イントネーションはすしにしんです。

■すずこ

サケの卵。筋子のこと。 イントネーションはすずこです。

■すっかい

すっぱいの意味です。 イントネーションはすっかいです。

例)「この漬物、すっかぐなってるね」。
  「あったかかったからねえ」。

■すっぱね

ズボンの裾や、尻にはねあがる泥のことです。しっぱねとも言います。
恐らく「尻はね」が詰まって、なまったものでしょう。
イントネーションはすっぱねです。

例)「背中まで、すっぱね上がってるんでないか」。
  「したって、道、しっとい泥だらけなんだも」。

■ずっぱり

沢山という意味です。 イントネーションはずっぱりです。

例)「なんだか味ぼけてるね」。
  「もっと、砂糖、ずっぱり入れでみな」。

■〜するにいい

〜をすることが出きる、可能だの言い方です。例えば、「食べられる」は「食べるにいい」、「売れる」は「売るにいい」になります。

例)「このにく焼けた?もう、食べるにいい?」。
  「もう、食べるにいいわ」。

■ずんぶ

随分の意味です。 イントネーションはずんぶです。

例)「おめ、見ねえうぢに、ずんぶふとったなあ」。
  「おれ、いやしいからな」。

■せば

それではという意味の接続詞です。別れる時の挨拶にも使います。
イントネーションはせばです。

例)「おみやげに、カバン買ってきてや」。
  「せば、ぜんこよこせや」。

■ぜんこ

お金のことです。イントネーションはぜんこです。

例)「おめ、そったらにぜんこ貯めで、なにするのよ」。
  「車、買う気になったったのよ」。
posted by Yoichi at 21:39 | 余市弁

か行

■かいべつ

キャベツの事です。イントネーションはキャベツと同じです。

■がおる

疲れる。精根尽きた状態になること。「我を折る」が語源。

例)「おめ、ずんぶ、がおった顔してるな」
  「胃、切ってまってな、わやよ」

■かくまき

毛布のような厚い四角い布で、ふちに房がついている婦人用防寒衣料。
四角い布を巻くから角巻きだという説と、えりもとでかき合わせるように着用するから
掻く巻きだという二説があります。

■がさい

ださいこと、陳腐なことです。 イントネーションはがさいです。

例)「おめの車、ずんぶがさいなあ」
  「なんもよ、おめの車の方ががさいんでないか」

■がさえび

シャコのこと。すしのネタとして賞味されます。
エビに似た形で、ガサゴソはい回るところから名づけられたようです。
イントネーションは、がさえびです。

■がさになる

かさばることです。 イントネーションはがさになるです。

例)「もうおみやげ、買わないの?」
  「あんまり買えば、がさになるから、もういいんだ」

■かしがる

傾く事です。イントネーションはかしがるです。

例)「この家、少しかしがってるんでないか」
  「んだ、土台、腐ってきてるみたいだんだ」

■かすべ

食用のエイのことです。イントネーションはかすべです。

■かぜる

仲間に入れることです。「かてる」「かでる」「かだえる」とも言います。
イントネーションはかぜるです

例)「わたしも、かぜてくれない?」
  「いいよ、かだりなさい」

■かだる

仲間に入ることです。「かぜる」との違いは、仲間に入れる方と、入る方との違いです。
また、一緒に着いて行く事、お供することも、かだると言います。
イントネーションはかだるです

例)「あんたも行くかい?」
  「したら、わたしも、かだって行くわ」

■かちゃっぺない

品位がない、貫禄がないという意味の形容詞。浜の方で使います。
イントネーションはかちゃっぺないです。

例)「あったら、かちゃっぺない先輩だら、やだな」
  「おお、嘘こきだしよぉ」

■かつける

「かっつける」「かずける」と発音する人もいます。
責任を他に転嫁する、罪を他人になすりつけるという意味です。 イントネーションはかつけるです。

例)「あいつだら、すぐ、人さかっつけるもな」
  「なまずるいんだ」

■がっちゃき(ぎ)

痔のことです。イントネーションは平板です。

例)「やいや、がっちゃぎ出できて、参ったでや」
  「さみぐ(寒く)なってきたからな」

■かっちゃく

引っかく、かきむしるの意味です。 イントネーションはかっちゃくです。

例)「ねご、からがってだら、かっちゃがれだでや」
  「あれあれ、しっといもんだな」

■がっつがっつ

動作や行動に思いきり力を入れて、繰り返したり持続する様子に使う副詞です。「ばっつばっつ」、「のっつのっつ」と言う人もいます。
イントネーションは平板です。

例)「やまの道、自転車で走ってたら、くま、でできてよ」
  「して、どやったのよ」
  「がっつがっつ自転車こいで、逃げできたァ」

■かっぱがる

物がひっくり返ることです。 イントネーションはかっぱがるもしくはかっぱがるです。

例)「あんまりスピード出せば、このわだちだもの、車もなんもかっぱがってまうど」
  「なんもさ、いっつもこやって乗ってらんだ」

■がに

カニの事です。

例)「このガニ、ぜんぜん身、入ってないな」
  「月夜だったからな」

■がばすけ

大きい、多い、長い、被害などの程度が、尋常でないときに使う修飾語です。のっつり、のっこり、がっつりとも言います。 イントネーションはがばすけです。

おれの車、がっつり、ぶつけられだとか、おらいさ、泥棒入って、がばすけ、持っていがれだ のように使います。

■かます、かまかす

かきまぜることです。

イントネーションはかます、かまかす です。

例)ちょっとそのなべ、かましておいでけれ。

■かまどかえす

「かまどかやす」と言う人もいます。倒産する、破産するの意味です。「かまど」が世帯という意味に使われるのは全国的なものですが、「かまどかえす(かや す)」が倒産するの意味に用いられているのは、青森・秋田・岩手の各県で、この方面からの渡来語だとされています。

イントネーションはかまどかえす、かまどかやす です。

例)「やいや、娘4人も嫁に出すんだら、かまどかえしてまうでや」
  「そったらごとゆったって、しょうがねんだ、自分のむすめだもの」

■からっぽねやみ

からっぽのやみともからっぽやみとも言います。平板なイントネーションです。
これは、どこも痛くないのに、あそこが痛い、ここが痛いと理由をつけては、仕事を休んだりする人、要するに怠けもののことを言います。
からは、「空手形」などと同じ「空」の意で、ぽねは「骨」、やみは「病み」の事だと思われます。

例)今日も仕事休んで、あいつだら、ほんと、からっぽねやみだ。

■かんかん、がんがん

かんかんは、缶の事。がんがんは、醤油の一斗缶や、オイルの缶のような缶を
指します。

例)「どっかに、がんがん、ねがったが?」
  「これがい?」
  「そったら、かんかんだら、だめだ」

■がんぜ

エゾバフンウニのこと。東北地方、佐渡ヶ島などで、ウニのことを「がぜ」と言っているのが伝えられ、「がんぜ」となまったもの。

例)「海さ、がんぜ、とりに行くべ」
  「水中めがね、持って行った方がいいな」

■がんび

シラカバ、ダケカンバなどの木、およびその木の皮のことです。皮は「がんぴganpi」ともいい、ストーブなどの焚き付けに用いられました。 イントネーションはがんびです。

例)「焚き付けなぐなったから、がんびの皮とってきといでけれな」
  「わがった、学校の帰りに取ってくる」

■がんべ

頭部にできる吹き出物のことです。
余市には、シリパ山の隣の方に、ガンベ山という山もあります。
イントネーションはがんべです。

例)「なんだこの、おたんこなすの、がんべたがり」
  「うるせ、おめのほうが、鼻たれのくせして」

■きかない

わんぱくな、乱暴なという意味の形容詞です。

例)「この子だら、ほんとにきかないんだから」
  「なんも、うぢの子のほうが、もっときかないさ」

■きもやける

腹が立つ。いらいらする。はらわたの煮えくり返る思いのことです。
イントネーションはきもやけるです。

例)「やいや、あったらやづに負げたがと思ったら、きもやげで、きもやげで」
  「おらも、おめの気持ぢ、わがる」

■きりあげ

季節が限られる仕事で、労働の期間が終了・休止する場合に使われます。
また、その時に行われる納会のことをも指します。

例)「おめのどご、きりあげ、いづよ」
  「おらほは、来週だ。」

■くき

群来と漢字を当てます。
ニシンの大群が海岸に押し寄せてくること、またその状態を「くきる」と言っていました。

■げっぱ

最下位の意味。げれっぱ、げれとも言います。
イントネーションは、げっぱです。

例)「俺、走るのはいっつも、げっぱでよぉ」
  「それだらいいさ、おれだっけ、試験がげれだったでや」

■けっぱる

がんばるの意味。「蹴張る」と「気張る」と語源に二説があります。
イントネーションは、けっぱるです。

例)「うしろから来てるよ、けっぱって!」
  「ほら、もう少しだぁ、けっぱれぇ!」

■ける

人に物をあげることです。共通語の言い回しの「くれてやる」は「けでやる」になります。あげないことは「けねえ」になります。 イントネーションは、ける、けでやる、けねえです。

例)「これ、おれさ、けねえか?」
  「おめみてえなやづに、誰、けでやるってよ」

■げんのう

かなづちのことです。共通語のように、泳げない人のことを、「げんのう」とは言いません。
イントネーションは、げんのうです。

例)「このスケソ、固いな。」
  「どら、待で。いま、げんのうで、少したたいて来てやる」

■こく

言う、する。
イントネーションは、こくです。

例)「また、うそ、こいてよぉ」
  「なんもだ、うそこいでない」

■こごむ

全国共通語の「かがむ」の「a」の音が「o」に変わって使われています。
イントネーションは、かがむと同じです。

例)「だまって、こごんでれや、立でば、ばれるからな」
  「やいや、リンゴかっぱらうのも、ゆるぐねえな」

■ごしょいも

じゃが芋、馬鈴薯の事。一株で五升も収穫があることから、「五升いも」と言った。
イントネーションは、ごしょいもです。

例)「子供ら、いっぺ連れで、どごさ行ぐのよ」
  「ごしょいも掘りさ、行ぐ」

■ござっぺ

ハゼ科の淡水魚で、ウキゴリの異名です。ごだっぺ、ごだらっぺとも言います。
イントネーションは、ござっぺです。

例)「ござっぺ、取りに行ぐべ」
  「待ってれ、網持ってくるから」

■こまい

小さいという意味です。イントネーションは、こまいです。

例)「こまいお金、ないかい?」
  「なんぼさ?」

■ゴミステーション

ゴミの日にゴミを出す、木やコンクリートで造った指定の場所のことを北海道ではこう言います。特になまっているわけではないのですが、本州では通じないようです。

■ごめ

カモメのことです。津軽地方の呼び方が、全道的に広まったとされています。
イントネーションは、ごめです。

例)「あれ、ごめだべか」
  「似でるけど、ウミネコだ」

■ごもめく (ぐ)

ぶつぶつ不平をいうさまの事です。 イントネーションは、ごもめくです。

例)「やいや、かがあに、ごもめがれでまいったでや」
  「まだ、てっぱい飲んでかえったんだべや」

■こわい

疲れた時の感じ。疲労感の事。 イントネーションは、こわいです。

例)「ああ、こわい、こわくて、こわくて、どもならないや」
  「そういうずぎは、はえぐ寝るのがいぢばんだ」

■ごんぼほる

駄々をこねる、無理を言うという意味です。「ごんぼ」はゴボウの事で、地中に長く伸びているゴボウを掘るのはなかなか骨が折れ、始末に追えません。だだをこねる子供をなだめすかすのも、骨が折れる事から生まれた言い方だとされています。
イントネーションはごんぼほるです。

例)そやって、いっつまでも、ごんぼほってだら、つねられるんだよ!
posted by Yoichi at 21:38 | 余市弁

あ行

■あおたん

ぶつけてできた、あざのことです。 イントネーションは平板です。

例)「さっきぶつけたとこ、あおたんになってるでや」。
  「あれだけがっつりぶつかれば、あおたんにもなるべな」。

■あか

船の中にしみだしてくる海水のことです。あかを掬って外に捨てる道具を「あか取り」といいます。 イントネーションは平板です。

例)「あが、たまってきたな」。
  「おお、そごさあが取りあるから、やってけれ」。

■あきあじ

鮭、塩鮭の総称です。
イントネーションはあきあじです。

例)「あきあじ、焼いてくれや」。
  「今、正月だのに、あきあじってことないべさ」。
  「いやいや、正月だって盆だったって、あきあじはあきあじだ」。

■あずましくない

ゆっくりしない、窮屈だ、気持ちが良くないの意味です。
イントネーションは平板です。
「あずましい」の否定形で多用されます。「あずましい」は気持ちが良い、ゆったりしているの意味です。

例)「ホテルさ着いだら、すぐ風呂さ入るでや」。
  「あったら狭苦しい風呂さ入ったって、なんもあずましくないべや」。

■あったら

あんな、あのようなの意味です。
同じように「こんな」は「こったら」、「そんな」は「そったら」になります
イントネーションは平板です。

例)「おめさ、あの車、けでやるから取りに来い」。
  「いらねえでや、あったら、がさい車」。

■あっぺ

反対、逆。「あっぺこっぺ」とも言います。
恐らく、全国の共通語の「あべこべ」と同じ語源から出ているものと思われます。
イントネーションはあっぺこっぺです。

例)「あいつだら、なして人ど違うあっぺなごと、するんだべな」。
  「知らねえ、偏屈だんだべや」。

■あべ

行こう、行きましょうと人を誘う時に使います。
語源は不詳ですが、「歩むべし」が縮まったのではないかという説があります。 イントネーションはあべです。

例)「おじさんといっしょにあべ」
  「いやだ、父さんと行ぐ」

■あぶらこ

関東地方ではアイナメと呼ばれる魚の名前です。 イントネーションはあぶらこです。
決して脂っこい魚ではないのに、この名前で呼ばれるのは不思議な事です。

■あまされる

嫌われるの意味。語源は「余される」でしょう。
仲間はずれにされて、もて余されるという所からきたものでしょう。
イントネーションはあまされるです。

例)「そったらごとばっかりやってだら、見でれ、友達から余されるから」
  「なんもさ」

■あます

食べ物を残すこと。
イントネーションはあますです。

例)「このピーマン、嫌いだ」
  「あましたら、ゲンコだよ」

■あめる

食べ物が饐える、変質すること。
イントネーションは平板です。

例)「このごはん、すっぱい匂いするよ?」
  「あめたんだ、食べるんでない」

■あやをつける

格好をつける事です。「あやをこく」とも言います。
イントネーションはあやをつけるです。

例)「おめ、そったらにあやつけで、どごさ行ぐのよ?」
  「なんもなんも、ちょっとそごまでだ」

■あんぱい、いい

これは塩梅(anbai)ではなく、「anpai」です。
口が上手く、おしゃべりな人の事をいいます。これは悪意をこめて使う言葉で、大風呂敷を広げたり、自慢話をするような人のことを、いいます。
イントネーションはあんぱいです。

例)奴(やづ)だら、ほんと、あんぱいいいもな。

■あんべ

こちらは塩梅のことです。 イントネーションはあんべです。

例)そったらいだ(板)の間だら、ケッツあんべ、いぐないべさ、ほれ、このざぶとんば敷いで座りな。

■いいさよ

「いいでしょうが」、「いいだろうが」の意味。

例)「おれさも、ひとつ、くれればいいさよ」。
  「おう、わがった。泣げばこまるから、けでやる」。

■いいふりこく

格好をつける、見栄をはる、派手にすることを、いいふりこくと言います。
そういう人のことを、いいふりこきと言います。

例)「いやあ、今月だらもう金ないでや」。
  「いいふりこいで、遊んでばっかりいるからよ」。

■いがべ

いいだろう、良かろうの意です。イントネーションはいがべです。

例)「一万円持って行ったら、足りるべか」。
  「おお、それだげあれば、いがべ」。

■いた(だ)ましい

もったいない、惜しいの意で使います。イントネーションはいた(だ)ましいです。
物ばかりでなく、人が若死にし場合にも同じ意味で使います。
「いたわしい」という人もいますが、こっちの方は、惜しい、もったいない、の他に、肉親を
失った人へのお悔やみの言葉や、ひどい目にあった人に同情を示す時にも使われます。

例)おじさんにもらった小遣い、いだましいから、少しづつ使いなさい。

例)○○さんも、まだ若いのに、いたましいねえ

■いっぺんぱん

一発で、即刻というような意味の副詞です。 イントネーションはいっぺんぱんです。

例)「おれな、一回寝たらまず起きないんだよな」
  「それだら、火事にでもなったら、いっぺんぱんだな」

■うすとろけた

間が抜けている様子。 イントネーションは平板です。

例)「おらいのいぬも、なんだかうすとろけたいぬでな」
  「なんもさ、たいしためんこいべさ」

■うだで

大変、すごく、ひどくといった意味の副詞です。
イントネーションは平板です。浜の方で良く使います。

例)「あそこの息子、うだで気ィみじかいものな」
  「血統だべ、おやじも、じじもそうだもの」

■うるかす

水につけておくこと。水につけて、ふやけた状態にすること。
イントネーションはうるかすです。

例)「この米、どうすればいいのさ?」
  「研いで、うるかしておいてくれるかい?」

■えんた

〜のような、〜みたいなの意味です。「いんた」と言う人もいます。
イントネーションはえんたです。

例)「おめえんた、なまずれやづ、はじめでみだでや」
  「なにこの、そっくりおめにかえしてけるでや」

■えんどまめ

豌豆(えんどう)だけでこの植物を表す言葉ですが、さらに「豆」を付けて言っています。
開拓農民たちは、えんどうだけで豆という意味が含まれていることを知らず、さらに豆と
重ねて、この植物は豆であると意識したのでしょう。「大豆まめ」の言い方も使います。

例)「もう、えんどまめ、植えたかい」
  「いや、今年は、だいずまめだけにしたわ」

■おおやけ(げ)

ニシンで財を成した、網元のことです。

■おがる

成長する。人だけでなく、動物、植物、毛髪などの成長にも使います。

例)「あんたんどごの畑のもの、よぐ、おがってるんでないの」
  「まあまあだべさ」

■おっかない

怖い、恐ろしい。道内ではコワイはあまり用いず、「おっかない」「おっかね」を多用します。

例)「びっこひいで、なしたのよ」
  「とっちゃに、スコップでぶっただがれでよぉ、おっかねがったでや」

■おっきた

大きなという意味です。イントネーションはおっきたです。

例)「おっきた餅だこと」
  「うちの父さん、ついたんだ」

■おだつ

余市では余り聞いたことがないのですが、使う方もいらっしゃると言うことで載せました。うかれる、調子に乗る事です。イントネーションはおだつです。

■おどあげる

「おど」は恐らく共通語の「おだ」が転化した言葉でしょう。辞書によると「おだ」には気炎、さかんな意気、気勢のような意味があります。気炎を上げる、気勢を上げるのような意味で使われます。イントネーションは平板です。

例)「やづ、まいばん盛り場で、おどあげでらど」
  「せば、まだ、ほんつけねぐなってるんだべや。やいやいや、こまったもんだな」

■おばんでした

今晩は(夜のあいさつ)。おばんですよりも、新しいあいさつだとされている。

例)「おばんです」
  「いやぁ、おばんでしたぁ」

■おんた

家畜や鶏の雄のこと。同じように雌の事を「めんた」といいます。

例)「また、めんたが、生まれでくるえんた気がするな」
  「いやぁ、こんだ、おんただべさ」

■おんちゃ

「おんちゃん」「おんじ」という人もいます。
弟、次男以下の男の子をひっくるめて言う言葉です。

例)「あんたのおんちゃ、今年なんぼになる?」
  「22です」

■おら、おめ

余市弁では、自分のことを おら、相手のことを おめ と言います。
「自分の家」は おらい、「相手の家」のことは おめらい と言います。
最後に付いている、いは、「家(いえ)」が縮んだものです。

例)あなた、私の家に遊びに来ませんか?
   → おめ、おらいさ、遊びに来ねえが?

また、自分の周辺を示す言葉もあります。自分の家の近くの事を言う場合は、おらほと 言います。これは恐らく、「おらいの方」がなまったものでしょう。これも同じく相手版の
おめほがあります。 このおらほ、おめほは、おらい、おめらいと同義で使用される事もあります。
posted by Yoichi at 21:35 | 余市弁